しっと・・・?

高校の入学式が終わり、しばらく音信不通だった王女から、電話がかかって

きた時のことです。
オリエンテーションも終わり、やっと落ち着いたようで、「クラスがきまった」
との連絡でした。
クラスというのは、英語と数学のクラス。
この二教科のみ、成績順に四クラスに分かれるのです。
「何クラスだと思う?」と、ものすご~く暗~い声なのですが、これは、イイシラセのパターンなのです。
本当に、なんとわかりやすい娘なんだろうと思います(-.-)
ただ、本人には気づいていないふりをしないといけません。
「そうねえ。前と同じ。」
「ブー」
「一つ上がった?」
「ブッブー」
「じゃあ、トップクラス!」「ブブブー」
急いでても焦らず、正味一分くらい付き合った後、「一つ上でしょ」と言うと、
「あたりぃ!なんでわかったあ?」と、超ルンルンの声がかえってきました。 
「もうぉぉぉぉ~うれしい!」と叫ぶので、力いっぱいほめまくります。
「すごぉぉぉ~い。ばんざ~い!!」
そして、このあたりで、国王の視線が痛く突き刺ささってくるので、
「ねえ。国王にも電話してあげて。」
と、私が言うや否や、国王が、テーブルに置いたスマホを、おもむろに手に取る気配を感じます。
王女との会話を、ず~っと耳をそばだてて聞いてた証拠です。
本当に、わかりやすい(-.-)
「いや~面倒だから、伝えといて」
という王女を説得するために、何かを取りに行くふりをして、場所を移動しながら、小さい声で、「今スマホ握りしめてるから・・待ってるから・・・早く!」と伝えます。
で、やっと王女も、「わかった」と言って、電話をきりました。
その直後、国王の電話がなり、一件落着です。でも、電話が終わると、
「なんで王妃が先なんだ!」
と、荒れる国王・・・本当に疲れます。


愛してるよ

国王から王女へ、怒濤のごとく送信されていたメールを見せてもらったのは、入学式から一ヶ月後。
王女が、ゴールデンウィークに帰省した時でした。
その異常な数が、国王の悲しみや寂しさを物語っているようで、ちょっと悲哀を感じました。
で、これ、全部返信しているの?
と王女に尋ねると、こっくりと頷いたあと、
だって、ほら。
と、メールを開いて見せてくれたのですが・・・。
すべてのメールに、「愛してるよ」の文字が綴られていました。
げっ・・・
という言葉を飲み込んで、無言でいる私に、
最初はね、何か違和感を感じたけど、離れてるっていうだけで、許容できるんだよね。
と、笑う王女。
そういえば、以前読んだ本に、こんなこと書いてたなあと、思い出しました。


「生命あるうちに、愛しているということを伝えなさい。永遠の後悔を残すなかれ。」


生きているうちに、「愛している」と伝えきれてる国王は幸せ者なのかも。
でもね。
と、王女。
朝は一回にして欲しいんだよね。学校遅れそうになるから、めちゃ大変。
タイトなスケジュールに、未だ慣れない頃でしたから。
だから、返信は全部ワンパターンで送ってるということで、国王のメールフォルダには、
「はい。ありがとう。」
が、延々入ってるはずなんだとか(-.-)
それでも、送る人にとっても、「愛してるよ」は、魔法の言葉。
送るだけで、きっと心が満たされてたんだろうと思います。
そういえば、今更ながらに気づいたけど、
私・・・言われた記憶がない(=_=)




ピンチはチャンス

王女が小学生の時、いじめにあいました。
学校の先生に相談すると、あなたの娘もしっかりしなきゃ!と反対に怒られてしまったことで、新しい選択を考えるようになりました。
中学受験。
最初に勧めたのは、私だったんだけど。
王女にとっては、12歳そこそこで、親元から離れるのは、大きな決断だったと思います。
でもそれ以上に、地元の学校へは行きたくないと思う気持ちのほうが、強かったから、
寂しさを飛び越えられたのかもしれません。
飛び越えたら飛び越えたで、新たな困難も出てきたんですけどね。
でも、ピンチはチャンスだねって、笑顔で言えるようになったから、王女は、いい選択をしたんだなって思ってます。