町の人②

ある日、いつものように、職場から電話がかかりました。


今から、ロッシーがそっちに行くから。


何かしら、焦ってるようでした。


玄関までは入れていいから。


国王は、訪問者を嫌ってました。
特に、自分が留守の時、人を招き入れることなどもってのほかでした。


不審におもいましたが、尋常ではない国王を感じ、とりあえず「はい」と

返事をして待ちました。


ピンポン ♪♪


チャイムが鳴ると同時に、玄関のドアが開きましたが、私がお迎えに出る

前に、ロッシーさんは、片方の長靴を脱いでました。


アンコウ持ってきた。さばける? 無理だろな。
仕方ない、台所はこっちか。


すでに、両足が玄関の前の廊下に、乗ってました。

慌てて長靴をそろえようとしましたが、そんな場合でありませんでした。


まな板!
包丁!


そう言って、袋から、そのグロテスクな「ブツ」を取り出しました。

見事な手さばきで、頭と胴体を切断し、顔を残して、身はぶつ切りです。


鍋が一番簡単じゃ。頭はどうする?


聞かれても、わかりません。
その辺にあったボールを差し出すと、ポイと、入れてくれました。

つるんと入り、離れた出目が、恨めしそうに私を見てる感じです。


じゃ、帰ろう。女一人の家に長居したら、疑われてしまう


何を・・・?と思いましたが、ロッシ-さんは、シャッシャッと手を洗い、

首に撒いた手ぬぐいで拭くと、玄関へ戻り、後ろ向きに長靴を履きました。

その直後です。

突然、くるっと私の方を向いて言いました。


奥さん、きれいな手しとるな。


ゆっくりと私の手を握ったかと思うと、手の甲に軽くキスをしたのです(+_+)


これくらいはいいやろ。・・・じゃ。


と言ってドアを開け、出ていきました。
呆然として突っ立っていたら、すぐにまたドアがあいたので、\(><)/ギョッっ

として後ずさりする私に、ロッシーさんは、


あ、先生にな、外へ出る時は、パンツくらい穿いた方がいいと言っといた。


と言ってニヤッと笑い、颯爽と去っていきました。(注:詳細は「恐怖」へ)


なるほど。


あれだけ人嫌いだった国王が、ロッシ-さんを家に招いた理由がわかりました。

あの国王を自由自在に操れるロッシーさんは、トロフィーもの。


国王の悪行!?も、いずれ清算されていくときが来る。

ささやかながら「希望」を感じました(ё_ё)


それにしても、冷蔵庫で待機してたアンコウの顔。

国王にそっくり過ぎて、怖いくらいでした。    

                              


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