MTB

家に閉じこもって勉強していると、体がなまってくるので、自己流に体を

揺らしてただけなのですが、


拘禁反応だ。


慌てた国王が、散歩に誘ってくれるようになりました。


アパートの裏手をぐるりと囲む山道を歩いていると、自然を満喫できて、

いい気分転換になりました。


蜜柑の木を見つけ、国王がその鮮やかな黄色い実を1つ拝借しそうになるのを、

必死で止めていたら、前方から町の人が歩いてきました。


海岸沿いも気持ちいいよ。


と言われ、下山して少し足を伸ばしてみました。


歯科医院の先のメインストリート(と言っても単線道路なのですが)をひたすら

歩いて行くと、果てしなく続くリアス式海岸が見えてきました。


ここ、自転車で走るといいな。


と国王が言うので、そうだなと思って、町で唯一の自転車屋さんへ行って

みることにしました。


しかし・・


そこには、マウンテンバイクしかありませんでした。

あきらめて帰ろうと思いましたが、国王はすでに買う気満々。


黄色がいいな。


と、私に乗るように勧めるので、仕方なく乗ってみましたが、足が届きません。


短いな。


というのを聞いて、お店の人が、サドルを下げてくれました。


この時点では、何とかスルーして家に戻り、国王に考えなおしてもらうよう

説得しようと思ってたのですが、


ローンでいい?


と言ってしまいました。


いいですよ。


と言われるのは分かってました。クレジットOKのシールが貼ってありましたから。

例によって、36回払いです。


乗って帰りますか?


と言われ、


はいっ! 


とうれしそうに答える国王の声を聞いて、“クーリングオフ” の可能性も絶たれたと

思いました(-.-)


店を出た後、ルンルン気分で体を左右に揺らしながら家路を急ぐ国王の背中を

見つめながら、私も意を決して乗ってみました。


ペダルが重い・・・重すぎる・・・。


坂だからかな・・と思いましたが、平坦な道でも重く、ついにあきらめ、

マウンテンバイクとともに歩いて帰りました。


遅かったな。


国王が駐車場で待ってました。


これ、私にはこげません。重すぎて・・・(-.-)


と言いながら、これで返品出来るかも・・・と内心喜びかけましたが、


バカだな。変速ギア使わなかったのか。


ということで、一蹴されました。

ママチャリしか乗ったことのない人間には知るよしもありませんでした。


結局その後、自転車をアパートの3階(自宅)まで運び、玄関に安置することと

なりました。


盗難にあったらおおごとだ。


おかげで玄関スペースは3分の1に縮小され、私は休みごとに乗車練習を

させられました。


開業後、2台一緒に知人宅へ養子に出してしまい、今は無きマウンテンバイク。


山道を行き、トンネルを走り、潮風に吹かれながら海岸を走った日々が、

今では懐かしく思い出されます。


でも、私が一番必要だと感じてた《お買い物》用には、全く適してませんでした。

買い物かごなんて、元々ついてませんから。






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