回心

受験勉強をはじめて2年目の事でした。


私は、万感の思いで家を出ました。


行く先は・・・


某予備校・・・です。


ここまでしますか?という感じでした。


まずオレがバックアップする。


自宅から日帰りが出来ない遠隔地のため、私は、寮生活を余儀なくされました。


この時点で、町の方達に受験の野望がばれ、実家にもばれ、私は退路を

閉ざされた気分でしたが、心なしかうれしい気分だったのは、しばらくは

身の安全を確保できるということでした。


それでも、このまま前進してもいいものだろうかと、疑問は残りました。

ただ、当時国王は、物の怪に憑かれたような感じで、この道しか見えなかったの

でした。


君が合格した後、オレが行く。


どう考えても、無茶な話しだと思いますが、ひたすら前進するのみでした。


後にも先にも、二人が別れて暮らしたのは、その時だけでしたが、その二ヶ半後、

どうしても続投できない理由が勃発し、私は再び僻地へと戻ることとなります。


その日、国王が車で空港まで迎えにきてくれましたが、それから半月くらい、

私が戻ったことをは誰にも言えませんでした。


なので、二人でコソコソと出かけたりしてたのですが、


“先生(当時は未だ国王とは知らなかったので)が浮気をしている” 


 という噂が町中を駆け巡り、結局、国王が白状いたしました。


正直な話し、私の心はすでに受験から離れ、普通の主婦に戻りたいと思って

ましたが、とにかく国王の執念は、すごいものがありました。


勉強量もさることながら、お金も沢山つかいました。


地元の塾に通わされたり、はたまた、お休みの4日間、二人で予備校に通う為、

車で2時間ほどの場所に家を借りたり。


しかし、行動を起こしても、すぐに道が閉ざされ、“振り出しに戻る”

のでした。そして、


努力努力努力!


と、けなげに頑張っていた国王でしたが、3度目の受験が間近に迫ったある日、


努力も、正しい方向に向かってないと実らないらしいですよ。


という私の何気ない一言で、国王の心がクラリと変わったのでした。


まるで、光の弾丸を受けたかのように、国王はバッタリと倒れ込み、

両手を挙げて叫びました。


や~めた


国王が歯科医師を貫く決意をした、《回心の日》でした。










×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。