招かれざるもの ②

その日、国王は、仕事で留守でした。
玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けると、宅配便のおじさんが立ってました。 


荷物をお届けに来たんですけど、こちらに運んでもいいんでしょうか。


拒否できるものならそうしたいところですが、住所も名前も商品も間違いは

ありません。


はい。いいです。お願いします。


と、私は出来るだけ淡々とした口調で対応いたしましたが、おじさんは

明らかに困惑しておりました。


あの・・どなたか、お手伝い出来る方はいらっしゃいますか?


断れないと分かってましたので、とりあえず、階下へ降りていきましたが、


やはり・・・。


トラックの荷台には、温泉街で出会ったものと同じ大きさと推定される板が、

プチプチで包装されただけの状態で、二枚置かれてました。


何だか、悲しみでいっぱいになりました ( ;∀;)


一枚ずついきましょう。


とだけ言い、3階までの階段を、おじさんと必死で2往復し、国王の望み通り、

四畳半の部屋へと運びこみました。



その夜、仕事から戻った国王は、部屋の壁に立てかけられた「それ」をみて、

さすがに怯んでました。


その日の夕食は、必然的に、終始無言でした。


取りあえず組み立ててみる。


ぼそっとつぶやき、四畳半の部屋へ消えた国王でしたが、この不利な状況を

どう収束させるのか、私には想像する余地もありませんでした。


できたできたできた!!!!


私には、見に来て下さい(ノ´∀`)ノと、聞こえましたので、

渋々部屋に行きました。


想像以上のできばえだ。


ある意味、同感です。


二人でプレーするのは無理だな。


同感です。


運動には適さないな。


見ればわかります。

同感です。


国王が腕を振るまねをしましたが、棒立ちのまま身動きが取れず、ストロークも

できませんでした。


結局2つの板は、まる一日放置された後、国王のアイデアで、一枚だけ

使用し、一人でもできる“壁打ち方式”で、プレーすることになりました。


しかし、あまり楽しくなかったようで、国王はすぐに飽きました。


それに、四畳半の部屋のほぼ4分の3が使用不可になると、やはり不便だと

いうことで、板は2枚ともプチプチでくるまれ、タンスの裏に葬られてしまった

のでした。


卓球台は、引越しする時、地元の市民センターに寄付させていただきました。


不要品を引き受けていただいたようで、申し訳ないとは思いましたが、

広い場所で、本来の役割を果たせるようになった「彼ら」が、今でも堂々活躍

されてることを、陰ながら願うばかりです (^^;)



      




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