皇太后(国王の実母)
本当に書いてもいいんですね。
三度も念を押しました。
『この皇太后にしてこの国王有り』だからいいんだ。
重々承知しています。
でもまだ、ご存命中なので、何となく躊躇してしまいます。
注:現在、皇太后と私は仲良しです。
よく言えば・・・とても大らかな方です。
例えば、
国王の実家には、庭に、直立するとほぼ1メートルをこえる犬を飼ってました
が、庭に隣接するキッチンの入り口は、「彼」が自由に出入りできるように、
なってました。
「彼」が入ってくると、必ずキッチンで遊びます。
料理中であろうが、食事中であろうが、全く頓着ありませんでした。
いつの日だったか、暑い日、私はテーブルに座り、食器を出来るだけ自分に
寄せて食べてました。
国王は、私の横で「彼」と遊びながら食べてたのですが、その「彼」の背後から、
突然、扇風機が回りはじめました。
皇太后の、風を送ってあげようという、思いやりの心であったに違い
ありません。
しかしその瞬間、「彼」の抜け毛が上昇し、食卓の上で乱舞し始めました。
私は、すごいスピードで完食したと記憶しております。
注:現在、皇太后と私は仲良しです。
またある時は、実家の両親が、鍋パーティーに招待されました。
腕前は私が保証します。
そう、実家の両親に伝えており、両親も期待していたことと思います。
その日は、お座敷にご馳走が並べられ、私達が席に着いた時、皇太后は、
まだキッチンで最後の追い込み中でした。
なので、《その現場》を目撃しなかったのは、幸いだったのかもしれません。
母が、父のためにお野菜をとってあげようと箸をつけましたが、
なかなかつかめない様子でした。
おおもの・・・のようね。
困り果てた母に代わり、私が菜箸でつかみあげてみましたが、
半分持ち上げた時点で、皆、目が点になりました。
それは、たっぷりと出汁を吸った、“台ふきん” でした。
母はもはや、鍋の中に箸を入れることすらできないという状況でした。
国王が、すぐさまコンロの火を最強にしました。
消毒されてる消毒されてる消毒されてる・・・
父と国王と私は、呪文のようにそう唱えながら、ぐつぐつと煮え立つ
鍋を、食べきったのでした。
注:現在、皇太后と私は仲良しです。
『この皇太后にしてこの国王有り』だろ <(❛へ❜)>
結婚して20数年。
国王もやっと、実母の非凡さを理解するようになったのだと思います。(-.-)
注:現在、皇太后と私は仲良しです。