ずっとファンです

あんな雰囲気のお店が、うまいんだ!


例えて言うならば、生徒数が増え、教室が足りなくなった時に、
学校の中庭などに建てられたりするような、プレハブ風の館。


営業してるんでしょうか。


そう尋ねてしまうほど、《食事処》の気配を感じさせない雰囲気でした。


駐車場にお客様の車が止まっていなければ、スルーしてしまうところでした。


カウンターとテーブル席。
メニューは、ハンバーグしかなかったと記憶しております。


先に、プレートが用意され、その後、鉄板にのったハンバーグ、お野菜、
コーンが運ばれてきて、プレートにセッティングされた瞬間、国王が、


おっ・・


と、声を漏らしました。
鼻を膨らまし、口角を上げて笑を浮かべてたのは、自らの選択が
正しかったのだというアピールです。


思った通り、うまい。


ところで、国王の食事は、私の4分の1の早さで終了します。
食べ終わるとさっさと立ち上がるので、私はいつも、食べた気がしないまま
店をでることになるのでした。


しかしその時、国王の目は、カウンターに背を向けて座る私を通り越し、
ある一点に注がれておりました。


カウンターに子供がいる。


店に入るときは気づかなかったのですが、振り返ると、男の子と女の子が
二人で座ってました。
カウンターの上には、ランドセルが置かれてます。


両親が共働きだから、学校帰りに寄るんだろうな。


ハンバーグを焼いているのが、ご主人。
そして、運んで来られたのが奥様なのだと判明しました。


毎日、ここに寄って帰るんだろうな。


テーブルでノートや教科書を広げ、宿題をしているようでした。


仕事が終わるまで、ここで過ごすんだろうな。


ゆっくり食事ができるので、国王には好きなように、おしゃべりして
頂いてました。


ウチも子供が生まれたら、待合室で勉強だな。


え!?と思って、顔をあげましたが、国王の目は、子供達に
注がれたままでした。
なので、とりあえず、確認してみました。


今、開業したばかりですよね。


国王は、上の空で、ああ・・・と空返事です。


私はまだ、スタッフを続けなければならないんですよね。


重要な部分ですが、国王は上の空で、ああ・・・と空返事です。


あの、私、すでに、齢、超高齢出産の域に達しているんですけど。


とても大事な部分ですが、国王は上の空で、ああ・・・と空返事です。


子供、嫌いじゃなかったんですか?


試しに、直球を投げてみました。


子供は好きじゃないが、自分の子供は好きになる可能性はある。


(-.-)


人生は、何がきっかけで変わっていくのか、本当に分からないものだと思います。


1年後、私達は、実家のある地に戻り、いよいよ本気の「開業」を迎える
ことになったのですが、忙しい日々をすごしながら、時折、二人の子供たちの
ことを思い出しておりました。


そしてある日、久しぶりに彼の地まで行ってみたのでした。


しかし、空き屋となったプレハブが、ぽつんと残っているだけでした。
とても落胆・・いたしました。



ところが・・・。
数日後、あきらめきれなかった国王が、ネットで調べ、プレハブの近くに、
同じ名前のお店があることを見つけたのです。


もしや・・と思って、数ヶ月後、再び訪ねてみました。


そこは、緑に囲まれた美しいお店でした。
そして、ドアを開けた瞬間、本当に驚きました。


時の流れは感じたものの、あの時のご夫婦がおられました。(≧∀≦)
そして、息子さんとおぼしき方も。
立派になられて・・・(ё_ё)


メニューは、ハンバーグに加え、ステーキもありましたが、プレハブの頃から、
驚くほどイノベーションされたハンバーグをいただき、感動の一時でした。


牛船 様


以来、私たち夫婦は、ずっと、貴店のハンバーグの大ファンです。


そして、おそらく、ご夫婦で経営されるお姿を拝見して、私も、国王と共に、
自営業の妻を続けられました・・・と言っても過言ではありません。(T_T)




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