同じ人

注:前回の続きです。


入り口に近づいてくる私を認めて、走り寄ってきたのはおじさんでした。


同じ人来たよ。同じ人。それと同じ人!


私に追いつくと、ほら・・と、満面笑顔で指さす方向に、《同じ人》が
ベンチに座ってました。
国王に、言いたいことは山ほどありましたが、


閉園まで、あと1時間ですよ。


と教えてくれたおじさんに感謝し、入園させていただきました。
自転車での入園はできませんでしたので、徒歩でどの辺りまでいけるかが
勝負でした。


しかし、見学どころではありませんでした。


どこでまちがったんだろうな。


ずっと、丁寧な看板がありましたけど。(心の声)


公園を右手に見ながら、入り口を探してこぎ続けたんだ。


誘導看板は、公園が見える前にありましたけど。(心の声)


そうしたらさ、進めば進むほど公園から遠ざかっていくから焦った。


そういう場合、普通は引き返します。(心の声)


だから、公園めがけて道を突っ切ろうと思ったんだ。


道などなかったと思いますが。(心の声)


そうしたら、すごい数のカラスが固まってた。


もしかして、道ではなくて、田んぼを突っ切ったのでは・・?(心の声)


オレに近寄るな!と怒鳴りながら通り抜けた。


さすがです。(心の声)


おかげで、入り口までショートカットできた。


出来れば、最初から間違えずに来てほしいところでした。(心の声)


そうしたらさあ・・・


何だか、知らないおじさんが当然やってきて、


ここをうごくな!
ここにいなさい!
ここで待て!


と、命令するから!!!


命令ではなくて、おじさん、必死で約束守ってくれたのです。
おじさん、本当に良い人です。(心の声)


何だおまえ!(`へ´) 
と思ってにらんでやったら、パーカーをつかんで、
「これと同じ人に、待つようにいわれたんです。」
と、しがみついてきた。


結局、国王の話しを聞くのに精一杯で、静かにたたずむ竪穴式住居を
訪れる間もなく、閉園時間ぎりぎりに、再び入り口へ戻ってきたのでした。


またゆっくりきてね。


安心されたのか、にこにこと笑いながら見送ってくれたおじさんの、見事な
功績に感謝し、私達は再び、正規のルートで、家路についたのでした。


国王はと言えば・・・。


カラスに襲われることもなく、無事に戻れたな。
やっぱり、オレの人徳だな。


いえ、私の陰徳でしょう。(心の声)

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